前回の街撮りの続きです。
残り全部放出するので写真多いです。
木屋町通りに移動しました。
木屋町二条の高瀬川一之船入。
高瀬川は、角倉了以(すみのくらりょうい)が、1611年(慶長16年)に開いた運河です。
当時、荷物のあげおろしをする船入は数箇所あり、ここが一番最初の船溜所でした。
水は鴨川(分流の、みそそぎ川)から引いてます。
現在、運河としては利用されてないので、
展示用に復元された高瀬舟が置いてあります。
この辺りの建物は、かつて船宿の面影が残されています。
木屋町通り沿いの料亭「幾松」のあった場所が更地になってます。
けど、よく見ると座敷のある奥の建物は残っています。
隣接してあったレンガ造り風のレストラン「維新庵」と、
幾松への通路の部分が更地になってます。
「幾松」は桂小五郎・幾松の寓居跡です。
幕末、京に潜伏中の桂小五郎を支え続けた芸妓が幾松です。
維新後は木戸孝允(桂小五郎)夫人・木戸松子となりました。
「幾松」もそうでしたが、三条より北側の木屋町通り沿いには、
このように長い通路になってるお店があります。
入り口は木屋町通りで、店舗の奥は鴨川に面した川床になってるという仕様です。
三条より南になると、木屋町通りと鴨川の間に先斗町という通りをはさみます。
木屋町御池を少し下がったところ「武市瑞山先生寓居之跡」。
幕末、武市半平太が暗躍してた頃は「四国屋 丹虎」という料亭でした。
今は別の料理屋さんになっています。
池田屋騒動事件の夜、近藤勇、沖田総司たち約六名が池田屋に、
土方歳三たち二十名は、ここ丹虎に向かったとも言われています。
密会は池田屋で行われており、丹虎に踏み込んだ二十名は
すぐに池田屋へ向かったと。
今では繁華街のこの界隈ですが、
高瀬舟による舟運の盛んな頃の川岸は
炭屋や材木やとその倉庫が多く、あとは大名諸藩邸でした。
店の入れ替わりが激しい木屋町界隈ですが、
このラーメン屋は昔からからずっと変わらずにありますね。
見た目変わったのは、のれんが新しくなったことくらいか。
向こうの突き当りは先斗町歌舞練場。
先斗町は京都五花街のひとつです。
5月の「鴨川をどり」は先斗町歌舞練場で開催されます。
先斗町は鴨川と木屋町通の間にあって、
三条通一筋下ル~四条通までを南北に走る細い道。
料理屋さんが並びます。
水道管・ガス管の入れ替え工事や無電柱化の工事で、
数年間アスファルトむき出し状態だったけど、以前の石畳に戻っています。
道は細いし、夜中にしか工事はできないし、と大変な工事だったようです。
柳が風情があっていいかんじ。
先斗町の紋章は加茂千鳥です。
四条通りより下がってきて、
フランソア喫茶室は昭和9年創業の老舗です。
右側の注意書きには、国の登録有形文化財に指定されていることや、
未就学児の入店並びに携帯電話での通話や喫煙お断り等が書かれてます。
西木屋町の細い道。
鳥彌三(とりやさ)は天明8年(1788年)創業の鳥料理の老舗。
ここの建物も登録有形文化財です。
名物の水炊きは坂本龍馬も愛したとか。
木屋町を下がってきて。
ここは五条公園という公園だったのですが、なくなってました。
けど、案内版があって水道管工事とのこと。
期間は令和7年の年末までだから2年もかけての工事です。
右端に少し写ってる木と中央の木はハクモクレンです。保護されてました。
地味な木のように見えて、咲いてる時は存在感あります。
鴨川の対岸からも目立ちます。
弁慶と牛若丸は「京の五条の橋の上」。
この辺りは菊浜という地区で、江戸時代後期から遊廓地帯として
芸妓と娼妓が混在する花街でした。
戦後もいわゆる赤線地帯として一部で営業は続けられ、
「五条楽園」という看板が上がってました。
大正から昭和初期に建てられた、
遊廓時代のお茶屋の意匠を凝らした木造の建物が今もいくつか残っています。
洋風な建物も。
こちらは五条会館。
かつての五条楽園歌舞練場です。
築100年を迎える木造建築三階建。
五条楽園お茶屋組合は解散となり、歌舞練場としての役割は終えてますが、
催し物等で使用されることはあるそうです。
この銭湯は今も営業してます。
ここは旅館になってます。
他にもこの界隈はその街並みを生かして
新しいカフェや宿泊施設が次々とできてます。
コロナ禍で一時は厳しい状況でしたが、また再開発が進むのでしょう。
もう少し下がってきて、
任天堂の創業地にある旧本社ビル。
明治22年に創業した任天堂の本社ビルとして昭和5年に建てられ34年まで使われていました。
昨年から高級ホテルに生まれ変わっています。
菊浜学区の再開発には任天堂の創業家が乗り出しており、
その手始めがこの旧本社ビルのホテル化です。
この日は、前回の四条地下道のスーパーマリオの壁画から始まって、
初めも終わりも任天堂になりました。
高瀬川一之船入~先斗町~下木屋町 2023年 秋 (完)
それではまた。。。