浄瑠璃寺 2023年 秋

 

 

京都府南部の木津川市加茂町
里山「当尾(とうの」にある「浄瑠璃寺」。
京都と奈良の境になります。

 

 

 

 

 

 

門横にあった柿の木。
渋柿のようです。

 

 

 

 

 

 

浄瑠璃寺奈良時代に、聖武天皇が高僧「行基」に命じて
建立したと伝わります。
(行基は、奈良の大仏造立の実質上の責任者で、大仏完成の3年前に亡くられます。)

しかしこれは寺伝であって、平安時代1047年に
義明上人が薬師如来を本尊として安置したのが始まりとされます。
真言律宗のお寺です。

 

 

 

 

 

 

平安時代後期の日本が生み出した浄土式伽藍が
ただ一つ完全に残されてきたといわれる寺。

 

 

 

 

 

 

本堂の前から見ると、池の向こうに三重塔が見えます。
三重塔には「薬師如来像(国宝)」が安置されています。

あちら薬師如来のおられる池の東側が、現世の「此岸(しがん)」、
ご本尊の阿弥陀如来のおられる池のこちら西側が、来世の「彼岸(ひがん)」となります。

 

 

 

 

 

 

創建当初は薬師如来を本尊としていました。
創建後まもなくして、本堂(阿弥陀堂)が建てられます。

平安時代末期は、末法思想が広がり極楽浄土を願う人が多くなる。
現世をあきらめ、来世に望みを託す浄土信仰が高まった時代です。

そして、京都一条大宮にあったとされる三重塔を
こちらへ移築し、薬師如来像は三重塔に移されます。

 

 

 

 

 

 

池の周りで咲いてた秋桜秋明菊

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当初の本尊であった薬師如来が祀られている三重塔。
浄瑠璃寺」の名は、東方にある薬師如来の浄土「東方浄瑠璃世界」からきています。

 

 

 

 

 

 

塔は秋季の特別開扉されてました。
通常は毎月八日に開扉されています。

 

 

 

 

 

 

薬師如来三重塔の前から拝む本堂。

本堂には「九体阿弥陀如来像(国宝)」が安置されています。
その名の通り、九つの阿弥陀如来像です。横一列に祀られています。
真ん中の中尊だけ大きいです。

九体仏は、平安時代には30ほどあったそうですが、
現存しているのは浄瑠璃寺のみとなります。

 

 

 

 

 

 

此岸から彼岸の阿弥陀仏に来迎を願って礼拝する。
本堂が厨子の役割となります。

娑婆から煩悩の河を越えて、浄土の対岸をめざす。
太陽の道筋と同じです。
送る側と、受ける側。

薬師の方から昇った太陽は、
春分秋分の日に中尊阿弥陀仏の後方へ沈みます。




浄瑠璃寺 2023年 秋 (完)
それではまた。。。