木津川に架かる流れ橋と
河川敷に広がる「浜茶」の覆下茶園。
木津川サイクリングロードを走って南下します。
終点の24号線泉大橋。
このまま笠置あたりまで自転車道を伸ばしてくれたら勝手がいいのですが、
中途半端なところで終わります。
木津川自転車道は始終点の嵐山~泉大橋間が45km。
往復で90kmです。
木津川市は、京都府の南端にあって奈良市と接しています。
その木津川市にある加茂町の当尾の里。
当尾(とうの)地区は古来、南都仏教の影響を色濃く受け、
世俗化した奈良仏教を厭う僧侶が穏遁の地として草庵を結び、
念仏に専心したと伝えられています。
やがて草庵が寺院へと姿を変え、塔頭が並び「塔の尾根」ができ、
いつしか「当尾」と呼ばれるようになったといわれます。
あちこちに石仏が残っており、石仏巡りのハイカーさんも多いです。
この日の目的地は当尾の紫陽花寺・岩船寺ですが、
その前に道中にある浄瑠璃寺へ寄りました。
浄瑠璃寺は奈良時代に、聖武天皇が高僧「行基(ぎょうぎ)」に命じて
建立したと伝わります。
(行基は、奈良の大仏(東大寺)造立の実質上の責任者で、大仏完成の3年前に亡くられます。)
しかしこれは寺伝であって、
平安時代1047年(藤原時代)に
義明上人が薬師如来を本尊として安置したのが始まりだとも。
真言律宗のお寺です。
お出迎えの紫陽花。
門から入ってくると池があります。
梵字の「阿」の字をかたどった「阿字池(あじのいけ)」。
密教系とかでよくあります。
禅宗だと心字の池とかよくあります。
池の向こうの三重塔には「薬師如来像(国宝)」が安置されています。
あちら薬師如来のおられる池の東側が、現世の「此岸(しがん)」、
阿弥陀如来のおられる池のこちら西側が、来世の「彼岸(ひがん)」とされます。
池の畔で咲いてた紫陽花。
桔梗や、
花菖蒲も。
ちょっと変わった形のこの花は、オカトラノオ。
緑もきれいです。
池の反対側へ歩いていきます。
薬師如来三重塔側から拝む本堂。
宇治の平等院と同じで、
本堂に入って阿弥陀仏を拝むのではなく、
こちらから拝むのが本来の姿となります。
此岸から彼岸の阿弥陀仏に来迎を願って礼拝する。
本堂が厨子の役割となります。
本堂には「九体阿弥陀如来像(国宝)」が安置されています。
その名の通り、九つの阿弥陀如来像です。横一列に祀られています。
真ん中の中尊だけ大きいです。
九体仏は、平安時代には30ほどあったそうですが、
現存しているのは浄瑠璃寺のみとなります。
次は岩船寺へ向かいます。
浄瑠璃寺 2022年 初夏 (完)
それではまた。。。