千本ゑんま堂の普賢象桜 2023年 春

 

 

前回まで京北の桜が続きましたが、翌週も京北を周りました。
なのでまだ当分「桜」が続きます。
タイムラグがどんどんでてくるけど、とりあえず行った順番に載せていきます。
桜が終わると写真も無くなってくるだろうし。

写真は京北へ向かう道中に寄った千本ゑんま堂。
入り口の所で咲いてる八重桜「松月桜」です。




 

 

千本ゑんま堂の正式名は「引接寺(いんじょうじ)」。
千本寺之内を上がったところにあります。

高野山真言宗のお寺で、ご本尊はあの閻魔大王
開基は平安時代前期の高官・小野篁(おののたかむら)と伝わります。
閻魔大王に仕えて地獄へ通っていたという方です。

 

 

 

 

 

 

こちらは普賢象桜。

花の中央に二本の雌しべが突き出ています。
普賢菩薩は白象に乗ってらっしゃるのですが、
突き出た二本の雌しべが白象の牙に見えることが、
普賢像桜の名の由来となっています。

 

 

 

 

 

室町時代後小松天皇足利義満金閣寺行幸に向かう途中にこの桜を発見し、
あまりの美しさに感動して義満に花見を勧めたと伝わります。

ゑんま堂を訪れた義満は、この桜に感服し、
桜の盛りを期して狂言を行うよう、寺に五十石の知行米を与えました。
これが千本ゑんま堂狂言の始まりとされています。

現在の普賢象桜は、当代十六代・佐野藤右衛門氏により寄進されました。
「桜守」として著名な 京都の造園家で、造園業「植藤」の当主です。

 

 

 

 

 

 

右の像は紫式部です。

愛欲を描いたために地獄へ落ちた紫式部
閻魔大王にとりなしたのは小野篁、という伝説もあって、
この右手には紫式部の供養塔もあります。

 

 

 

 

 

 

ここからそう遠くない、北大路堀川下がった所に
紫式部小野篁のお墓があります。お墓も隣同士です。
街中にぽつんとあって普段訪れる人がほとんどいないけど、
来年の大河ドラマ紫式部が主人公なので
少しはお参りする人が増えるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

咲き始めなので白っぽいけど、
終盤はピンク色が濃くなってきます。
そして、散るときは椿のように花ごとポトリと落ちます。

その散りざまが囚人が首を切られるのに似ているというので、
江戸期には所司代が獄舎の囚人に見せて仏心を起こさせたと。

前に面してる千本通りの名は、
刑場・葬送地の船岡山西麓への道に千本の卒塔婆を建て供養した、
というのが由来となっています。
千本通りはあの世へ通じる道でした。

船岡山西麓は蓮台野と呼ばれ、鳥辺野、化野に並ぶ京の葬送地でした。


千本ゑんま堂の普賢象桜 2023年 春 (完)
それではまた。。。